校長からのメッセージ 「夏の終わりに」

あかあかと日はつれなくも秋の風 芭蕉

立秋が過ぎると朝夕がやや涼しく過ごしやすくなりますが、芭蕉は、「太陽はそ知らぬふりで降り注ぐが、時折吹いてくる風に秋を感じるよ」と、夏から秋へ移りゆく季節の揺らぎをうまく捉えています。

夏休みももうすぐ終わりますが、この夏の本校の生徒のがんばり、それを支えてくださった先生方のふんばりのお知らせをいくつもいただいています。そんなお話を二三、紹介したいと思います。

8月16日に和気町で行われた和文字焼きまつり。本校の生徒もボランティアで参加しました

8月16日に和気町で行われた和文字焼きまつり。本校の生徒もボランティアで参加しました

 

○吹奏楽部が8月8日(土)に行われた吹奏楽コンクールの高校小編成の部で、金賞を獲得しました。「一瞬の演奏、一生の宝」を部のモットーにがんばり抜いた成果が報われて嬉しく思います。

部員の一人が三年生のAさんやBさんたちからもらったメッセージカードを見せてくれました。それには「楽器が古くて使いにくかったこと、嫌なことがあった時でもがんばってくれたこと、ありがとう!これからもがんばってね。自分を信じて!」と書いてありました。三年生は確か初心者から始めたメンバーが多くいたと思いますが、後輩を思いやる心が育っていて殊の外嬉しく思いました。

吹奏楽部は和気町営の、学び館「サエスタ」でホール練習も行いました。

吹奏楽部は和気町営の、学び館「サエスタ」でホール練習も行いました。

○サッカー部の合宿の報告を赤星先生から受けました。14名程の部員のうち、シャトルラン100回を達成した者だけを合宿に連れて行くという条件で10名がクリアしたそうですが、そのプロセスでCくんとDくんが先輩にどうしたら100回クリアできるかと尋ねて「気合いだ!」のアドバイスの下がんばって合宿に参加したそうです。部活動は人格を磨く大切な機会であることを改めて感じました。

4月から、本校の生徒が、時には先生が様々な新聞に投稿して掲載されています。Cくんも7月2日(木)の山陽新聞に「相手の立場で行動する」という投稿文が掲載されました。中学時代のサッカー部で得た経験を高校生活にも活かしたいという趣旨の文章でした。多くの先生方のふんばりで彼も成長していると嬉しく思っております。

 

○3年生の就職希望者のために、今春の卒業生がエールを贈りに勤務先に休みをもらって来てくれました。コーワンからEさん・Fさん、岡山和気ヤクルトからGさん・Hさん、ショットのIさん、恵風会のJさん、ジップのKさん、備前信用金庫のLさん、桃谷順天館のMさん、美容のエリカのNさん、いずれも自分の仕事に誇りをもって後輩に語りかけてくれました。

その話の中で印象に残った言葉は「気付く」「メモを取る」でした。特に、気付きというキーワードを複数の卒業生が口にしたのは驚かされました。周りを見て何が求められているという気付きが必要だというEさん、ゴミを拾う・電気を消す等の小さなことへの気付きを大切にしたいというIさん、彼らの成長ぶりに我が身を振り返りました。

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9月5日、7日に行う楷楓祭は、卒業式に次いで大きな学校行事です。本校の先生方にはこの機会をとらえて、生徒一人ひとりに自らどんな力を伸ばしたいか、考えさせてやっていただきたいと思っています。ともすれば成果に目がいきがちですが、生徒同士が葛藤を経て助け合い、認め合う体験をすること自体に大きな意義があると考えています。

中学生のみなさん、保護者のみなさま、またOBOG、和気町のみなさまも、5日(土)の楷楓祭にいらしてステージあるいは教室での発表で、本校生徒たちの輝く姿をご覧ください。

校長 香山真一