旧閑谷学校で行われる「釈菜」とは?(歴史編)

毎年10月、旧閑谷学校で行われる孔子の徳を讃える「釈菜(せきさい)」が開催されます。和気閑谷高校からは教職員が祭官として参加。生徒も参列し、ボランティアとして運営の一部を担っています。

釈菜とはどんな行事なのでしょうか。メインとなる「大成殿の儀」の内容を、リハーサル時の写真とともに紹介します。

●旧閑谷学校の釈菜

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孔子を奉る新聖堂(聖廟)が現在のかたちで完成した翌々年、貞享3年(1686年)秋、藩主池田光政に命じられて閑谷学校を創建した津田永忠らによって初めて行われました。その後絶えることなく受け継がれてきたものの、明治になって一時途絶えましたが、大正4年(1915年)、当時の私立中学閑谷黌の教職員と生徒によって復活され、さらに昭和6年(1931年)、新たに祭器が用意され、古式に則った現在の形に整え直されました。

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釈菜の主催は旧閑谷学校顕彰保存会ですが、祭官を務めるのは閑谷学校の歴史と伝統を継承する和気閑谷高校の教職員です。これは、閑谷学校の釈菜を実際に守り続けてきたのがこの地で教え学んだ教師と生徒であったという歴史に由来します。

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また、奏楽は吉備楽(明治の初頭に雅楽等をベースにして岡山に生まれた邦楽。釈菜では笙、笛、琴、太鼓を使用)でなされています。昭和6年に取り入れられその後、途絶えていたものを平成13年(2001年)、創学330年釈菜を記念して新たに復活されました。

※参考資料:(公財)特別史跡旧閑谷学校顕彰保存会資料「閑谷学校釈菜」