平成27年度卒業式 送辞

先日行われた卒業式において、在校生代表が読んだ送辞を紹介します。先輩の姿を見ながら何を学んだのか。卒業した3年生の学校での姿が生き生きと描かれています。

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送辞

厳しい冬の寒さも次第に和らぎ、陽の光にも春の訪れが感じられる、この佳き日に、ここ岡山県立和気閑谷高等学校を旅立っていかれる卒業生の皆さま、ご卒業おめでとうございます。在校生一同、皆さまのご卒業を心よりお祝い申し上げます。

校内でいつも響いていた、明るく元気な先輩方の笑い声や話し声、その声を聞くことができるのも今日で最後になりました。それを思うと、何か寂しい気持ちになってしまいます。

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振り返ってみますと、私たちは入学以来、いつも先輩方の背中を追いかけてきたように思います。高校という未知の世界に進んできた二年前、私たちは大きな不安と緊張をかかえていました。友人はできるだろうか。部活動はどうしようか。戸惑いながら始めた学校生活の中で先輩方は私たちに優しく声をかけて下さいました。そして、いろいろな機会を使って積極的に私たちとの距離を縮めようとして下さいました。先輩方と関わる中で、私たちはだんだんと学校生活に馴染むことができたように思います。学校行事を通しての先輩方との思い出はたくさんあります。最初の思い出は、新入生歓迎球技大会です。先輩方は絶対に勝つぞという気持ちで、後輩の私たちに本気で挑んでくださいました。先輩方のやる気に圧倒されましたが、それでも私たちも必死に競技をすることができました。一生懸命することは大切なことだと、先輩方に教えていただきました。

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そして学校行事の要ともいえる楷楓祭。文化の部では、先輩方がいろいろな模擬店を出されていました。「餃子の孝平」「安心してください。焼いています。」「三の三、愉快な仲間たちともじゃしげのりのシューアイス」など、ユニークなネーミングでした。どの店も行列ができていて賑わっていました。また、体育の部では、先輩方の強い団結力を感じさせられました。ハイスクールミュージカルのダンス、ドラえもんのパフォーマンスなど趣向を凝らしたもので、会場を盛り上げてくださいました。私は生徒会役員として撮影を担当していましたが、リレーの応援で絶叫している先輩、パフォーマンスをしている先輩。そんなやる気にあふれた姿を見て、私たち在校生も、本気になれました。

もうひとつ、忘れられないことは、先輩方と合同の探究学習です。一年生の時、何をすればよいのか、どこから取り組めばよいのか。分からないまま探究学習を始めていた私たちにとって、先輩方の本気で取り組む姿勢は励みであると共に、目標でもありました。失敗しても、つまずいても、本気で取り組む姿勢がどんなに大切なことであるか。当たり前のことを当たり前に取り組む姿勢の大切さを改めて確認することができました。そして、十二月に行われた、和気閑谷高校、初の卒業研究発表会。和気町への移住計画というテーマに沿って作り上げられた劇は、とても見応えがあるものでした。休み時間や放課後、学校行事で見る先輩方の楽しそうな姿とはまた違う、真摯な姿、必死な姿に感銘を受けました。限られた時間の中で、最後まで熱心に取り組む姿を見て、先輩方のように私たちも活動したいと強く感じました。来年度、私たちは先輩方の研究成果を受け継ぎ、それをさらに超えていくことを目標に、卒業研究に取り組んでいきたいと思っています。

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こうして振り返ってみますと、先輩方とは本当に多くの時間を過ごさせていただきました。先輩方と共に喜んだこと、大笑いして騒いだこと、悔しくて涙を流したこと、それら全てが私にとっては宝物です。先輩方と過ごした二年間を私たちは一生忘れません。今日まで私たちを様々な面で支えて下さって、本当にありがとうございました。私たちは先輩方を見習い、みんなで困難を乗り越え、和気閑谷高校の伝統を引き継いでいきます。

最後になりましたが、卒業生の皆さまの歩まれる道が、より良いものとなりますように、心からお祈り申し上げ、送辞といたします。

 

平成二十八年三月一日

岡山県立和気閑谷高等学校 在校生代表

森下朋美

卒業おめでとう!

3月1日(火)、平成27年度卒業証書授与式を執り行いました。

来賓の方々、保護者の皆様、在校生、教職員に見守られる中、普通科70名、キャリア探求科69名、計139名が証書を授与され、和気閑谷高校を巣立ってゆきました。

担任から生徒一人ひとりの名前が読み上げられ、力強い返事とともにその場で起立。各学科から1人の生徒が代表で証書を受け取りました。

担任から生徒一人ひとりの名前が読み上げられ、力強い返事とともにその場で起立。各学科から1人の生徒が代表で証書を受け取りました。

校長先生の式辞では、公職選挙法が改正され、選挙権を持つようになった卒業生に以下のようなメッセージが送られました。

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人口減やテクノロジーの進化など、確かな未来の設計図などどこにもない今、答えのない問題を考えるためにどのような心の持ち方が必要とされるのか。一つは「自分の味を出す」ということ、二つ目は「学ぶ力を捨てない」ということ、三つ目は「人を思いやる」ということ。

「人を思いやる」ことを論語では、「恕」と言い本校の論語手帳の表紙にも書かれ生徒には馴染み深い言葉です。式辞の締めくくりとして、恕にまつわる論語を卒業生、在校生、教職員が朗唱しました。

「子貢問ひて日はく、一言にして以つて終身之を行ふべき者有りや。子曰はく、其れ恕か。己の欲 せざる所、人に施すこと勿れ。」

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続く来賓の岡山県教育委員会、岡山県議のお二方はともに本校の卒業生。先輩として、伝統ある本校の歴史を受け継ぎ、お思いやりの心を育て、人間として成長し続けて欲しいという温かいエールをいただきました。

教育委員会、県議、和気町長、近隣中学校校長先生など、多数の方に列席いただきました。

教育委員会、県議、和気町長、近隣中学校校長先生など、多数の方に列席いただきました。

在校生の送辞では、最初の球技大会で一生懸命に取り組むことの大切さを教えられたことから、昨年末に本校で初めて行われた卒業研究発表会での立派な姿まで、数々のことを先輩たちから学んだこと。先輩たちとの別れの寂しさ、次は私達が先輩を乗り越えるぐらい頑張りたいことなどが心を込めて語られました。

卒業生の答辞では、溢れる想いが言葉と涙になりました。友達ができるかと不安な思いで入学した当初、閑谷合宿で仲間ができたこと、2年生の修学旅行の楽しい思い出、3年生の最後の楷楓祭、進路実現に向けて団体戦で頑張ったこと…。支えてくれた先生方や家族への感謝とともに、最後に伝えられたのは「和気閑谷高校で学ぶことができて本当に良かった」という言葉でした。

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ご家族の皆さま、本日はおめでとうございます。

卒業生の皆さん、今日、後輩たちは3年間の皆さんが学び、成長してきた姿をしっかり胸に刻みました。皆さんのこれからの幸せをお祈りしています。そして、人生の中で迷ったり不安になった時、嬉しいことがあった時、和気閑谷高校はいつでも皆さんを待っています。