野球部の記事が高校野球ドットコムに掲載されました!

今回で第3弾になりますが、本校野球部の記事が高校野球ドットコムにアップされました。内容はオンライン部活動です!

https://www.hb-nippon.com/news/36-hb-bsinfo/41568-bsinfo20200514010

<以下が本文>

「3年生の存在や在り方がチームの鍵」和気閑谷(岡山)は障害者野球チームとの交流も成長の糧に」

 「1年生に何も教えてあげられていない。思い出を作れていない」  

  自分の集大成の夏に、1年生のことまで心配できる3年生が全国でどれだけいるだろうか。新型コロナウイルスの影響で、世界は前代未聞の事態が続く。野球界も大会などが軒並み中止・延期となり、高校野球も夏の甲子園の開催が危ぶまれる状況。そして多くの学校が活動自粛となる事態にある。   

  岡山県にある和気閑谷もそんな学校の1つ。日本最古の公立校としても知られる和気閑谷は6月1日が活動再開ではあるが、現在は最新ITを活用しながら自主練習をしている。  

  「学校でipadを生徒1台に渡しておりまして、そちらを使ってG Suiteと呼ばれるGoogle社のアプリに自主練習の様子を撮影して選手たちにアップもらい、それを見てコメントをしています。また『こんな練習をやっていたぞ』と他の選手にも見せることで刺激を与えあって、チームで動いている感覚を忘れないようにしています」   

  練習メニューは選手たちに一任。練習環境の違いもあるが、それぞれが自身の持つ課題に気づき、正面から向き合って取り組む。発見までの過程や可能性を模索する中で成長していくことを願っているのが部長として選手たちに携わる柴谷祐人先生は語る。  

  活動再開は6月1日の予定となっているが、そこまで選手たちには会えない。「悔しさが9割あります。けど今回の事態になって『野球が好き。野球がやりたい』という気持ちに気づくことができました。出来る範囲の練習になりますが、その想いをエネルギーに変えて夏があることを信じてやるしかないです」と柴谷先生の想いは強い。  

  夏は「3年生の存在や在り方がチームの鍵になる」と最上級生がチームを引っ張るように期待を込めている。そんな中で3年生が口にした一言こそ、冒頭の言葉だ。和気閑谷は障害者野球チーム・岡山桃太郎と交流を持っている。こうした関わり合いの中で、周りのことも見られるように成長を促してきた。その成長が垣間見えた一言だろう。  

  「こうした活動を通じて、仲間のありがたさや超えられる壁があることに気づけているんだと思います。ですので、『誰かのために』というモチベーションをプラスにプレーできるか楽しみです」  

  今は自分と向き合って日々成長を続けているが、再び和気閑谷がチームとして始動した時にどれだけ仲間のために動けるのか。その成果が見られる舞台が整うことを祈るばかりだ。

野球部の記事がバーチャル高校野球(朝日新聞)に掲載されました!

先日のスポーツニッポン新聞社に引き続き、今回はバーチャル高校野球(朝日新聞×ABCテレビ)に本校野球部の記事がアップされました。

https://vk.sportsbull.jp/koshien/articles/ASN5D3VSMN59PTQP00H.html

<以下が本文>

「感覚変わる」と好評 高校球児が開発、障害者用グラブ 2020年5月14日16時00分   

  岡山県和気(わけ)町の和気閑谷(しずたに)高校野球部が、身体障害者専用の野球グラブをプロデュースした。地元のグラブ職人の協力を得て昨年12月から製作を開始し、3カ月半かけて完成にこぎつけた。同校によると、専用のグラブは世界初という。  

  きっかけは、2018年夏の西日本豪雨で、身体障害者野球チーム「岡山桃太郎」の活動場所がなくなり、同校野球部がグラウンド提供や練習サポートを始めたことだ。19年度の文部科学省の「地域協働事業」の指定校に認定されたこともあり、合同で野球教室開催や練習試合を行うなど交流を続けてきた。  

  「桃太郎」の選手たちが、工夫しながらひたむきにプレーする姿に感銘を受けた部員たちは、他にもできることはないかと考え、道具に着目した。生まれつき左手首から先がない桃太郎の右腕・早嶋健太投手(24)が、投げる際にグラブの網目に左手を引っかけていたことなどから考案した。  

  アイデアをイラストに描き、岡山市の野球用具店「タカギスポーツ」のオリジナルグラブブランド「ロマネクロウ」の協力を仰いだ。河野純大(あつひろ)君(現2年)、浜本涼一君(同)の案が採用され、背面に左手を入れるポケットがついたグラブができあがった。  

  グラブを持ち替える時に右手を入れやすいよう、中指と薬指の仕切りをなくすアイデアは、生徒らとグラブ職人の森川徹也さん(32)の話し合いの中で生まれた。森川さんが特に苦労したのは、ポケットの耐久性。「一人ひとりに合うグラブをつくるのが技術者。私にとっても挑戦だった」。本来は使わない硬い革を土台にしたり、プラスチック製の板を差し込んだりして工夫した。革が伸びても締め具合を調節できるアジャスターもつけた。  

  日本身体障害者野球連盟によると、プレーする際に椅子や松葉杖など動きを補助する用具は使用可能。今回の専用グラブも補助具に該当するため、問題はないという。  

  同校の浮田圭一郎監督は「身体障害者選手の野球への姿勢を見て、部員もより真剣に取り組むようになった。これからも第2弾、第3弾と案を出していけたら」と話す。東京五輪では野球が正式種目として復帰するが、パラリンピックでは野球が採用されていない。専用道具の開発を進めることで、正式種目採用へ後押ししたいと考えている。

 ■「野球の感覚変わる」  

  岡山桃太郎のエース早嶋にとって、今回の専用グラブは「野球の感覚を変える」出来事だった。  小学5年でソフトボールを始め、中学では軟式、津山東高校では硬式で1年秋からレギュラーに。そして中国六大学リーグの吉備国際大でもベンチ入りと、俊足巧打の外野手として健常者の中でプレーしてきた。「あるもの(道具)の中で自分なりに工夫してきた」  これまでは十字の網目のグラブを使用してきた。球を投げる時は左手首にグラブを引っかけ、右腕で投げる。捕球する時は、素早く右手にグラブをはめて捕り、グラブごと左脇腹にはさみ、そして右手で球を取りだして送球していた。  だが、投げる際にぶら下げたグラブが外れないよう左手に留意するあまり、右腕だけで投げようとして右ひじを痛めていた。  

  大学野球部引退後、「岡山桃太郎」に入団。硬式野球でプレーしていた肩の強さを見込まれ、投手になった。2018年秋にあった第4回世界身体障害者野球ではエースとして日本代表を引っ張り優勝。MVPにも輝いたが、ひじの痛みは改善されず昨年3月に手術した。復帰しても、痛みは完全には取れず。そんな時に舞い込んだのが専用グラブの考案だった。  新しいグラブを使うと、左腕も使えて体全体を使って投げられるようになったという。「もっと進化できる。僕がきっかけで、障害を持っている人の可能性がもっと広がってほしい」(大坂尚子)