第4回探究学習発表会を行いました

3月3日(土)に第4回探究学習発表会を開催し、1年次生と2年次生が1年間の閑谷學探究学習の成果を発表しました。今年度の発表会の目標は、
「自分の言葉で探究活動の成果を発表する」
「他者の発表を理解し発表に対して自分の考えを持ち表明する」
です。

 

 

1年次生は「提案!地域に学ぶ和気高の問題解決」として、学校内の課題を解決するために地域を学習フィールドに、次の5テーマで探究活動を行ってきました。
1. クラス環境×職場環境(×出前授業)
2. 校内新聞×和気町内広報媒体
3. スポーツテスト×和気スポーツクラブ
4. 和気高イベント×町内イベント
5. 校内にビオトープ×佐伯自然保護センター
各テーマでチームに分かれて、より良い学校づくりのための提案に向け、調査や話し合い、実践をしてきました。発表会ではチーム全員が探究成果についてポスターセッションで、生徒の考える学校の課題を説明し、自分たちなりの解決法を提示することに挑戦しました。

 

 

2年次生は進学志望者と就職志望者に分かれて探究活動を進めてきました。進学志望者は3ゼミ(いのち、くらし、こころ・ぶんか)に分かれ、地域の課題と解決法の研究、そして教育実践に取り組んできました。就職志望者は、昨夏のインターンシップ体験を元に労働や産業に関するテーマで探究を行いました。それぞれ体育館と武道場に分かれ、1年間の実践報告と課題解決の提案を行いました。また、株式会社桃谷順天館と共同で化粧品を開発したチームは、自らの商品コンセプトを説明するなど、企業人さながらの発表ぶりでした。

 

 

今回の発表会では、発表以外でも生徒一人ひとりが自分の考えを表明できる場を設けました。それは、優秀発表をみんなで選ぶ投票です。今年は、1年次生と2年次生の優秀発表に選ばれたチームには「閑谷賞」が授与されました。また、特別審査員である和気町長と和気商工会長からは「和気町長賞」と「和気商工会長賞」を授与していただきました。賞に選ばれた生徒も選ばれなかった生徒も、1年間の活動をしっかりと自分の言葉で説明できたことが、大きな成果となりました。

 

地域の皆様にはいろいろな場面でお世話になり、ありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

金沢大学高大接続ラウンドテーブル

2月11日、12日の2日間、金沢商工会議所会館を会場に「金沢大学高大接続ラウンドテーブル-〈探究〉と〈研究〉を結ぶ入試をデザインする-」が開催され、探究学習に取り組む高校生や高校教員、大学(院)生や大学教職員ら全国から120名以上が参加しました。本校からは1年生1名、2年生2名が参加しました。

≫1日目

3名それぞれが準備したスライドを用いて、グループ内の大学教員、高校教員、大学(院)生、高校生に対して、本校の歴史と特徴、探究学習の3年間の流れ、各自の探究学習の取組について発表しました。続いて大学(院)生による発表を行い、大学の研究活動について意見を交換しました。高校の現状や高校生が抱く大学での研究や学生生活と実際とのギャップをどう埋めるか、そのために入試はどうあるべきかについて、2日目に議論することにしました。

≫2日目

高校での探究学習と大学での研究が円滑につながるような入試の在り方をグループごとに議論しました。3名のグループで出された意見の概要は次のとおりです。

  1. 私たちのグループは現在の入試の様々な形式(筆記・面接・発表)の良い点と悪い点を検討した結果、筆記(科目を制限)と発表形式の試験で審査が一番生徒の実際の力を見抜くのに適していると考えました。なかでも発表形式の試験を軸として考えました。
  2. 結論としてこういう入試にしようというのは決まりませんでした。入試の方法として出たものが「入試でディスカッションをする」「複数回入試をする」「探究の論文」です。今の高校の学習が大学、大学の学習が社会に繋がっていないから、義務教育から社会まで一貫性をもたせる入試がこれらなのかな、と思います。要は入試だけ変えるのではなくて高校、大学、社会も変わらなきゃいけない、と思います。
  3. 知識を詰め込み、自ら考える力-探究学習で育成されるような力-の育成が少ないと思います。知識はもちろん大切ですが、知識のみで解決できない課題に直面したとき、考える力が本当に試されます。これといった結果は出ませんでした。入試の仕組みだけでは解決できず、小中高の学校教育の仕組みごと変えてしまわないといけないと思います。

生徒にとっては、探究学習の大切さを再認識する機会となりました。今回の経験を来年度の探究学習で活かしてほしいと思います。

陸上競技を通じた3年間の成長

今年度、中国大会はもとよりインターハイ、国体に出場するという活躍をみせた陸上競技部。やり投げ選手として活躍した石田幸太郎君と顧問の矢吹先生に、部活動を通した成長を語り合ってもらいました。

やり投げのコーチングゾーンで石田君と話す矢吹先生

 

-入部のきっかけから教えてください。

 

矢吹 入学式で彼を見て、体格が良くて競技向きと思い声をかけました。

石田 陸上競技は走るイメージしかなくて嫌だったんですが、投げる種目ならできるかもしれない、という単純なきっかけです。ただ、実際始めてみたら、思った以上に難しくて。砲丸投げから始めたのですが、今なら10mは投げられるのが、当時は6m台でした。

矢吹 とはいえ、1年生の7月に国体予選の砲丸投げで、10人中でしたが8位に入賞。いきなり入賞だったので、これはいけるかもしれないと思いました。彼のすごいところは、すぐ他の選手と仲良くなるところ。積極的で、物怖じしない性格も投擲向きだなと思いました。

石田 1年生の時は円盤投げもやっていましたが、投擲の中で一番軽く、中学の時にやっていた野球に少し動きが似ていることにも惹かれてやり投げを始めました。でも、当時はあんまり練習に行っていなかったんです。

入部したばかりの1年生の5月。岡山県高校総体陸上競技大会にて

 
 
-全国を意識し始めたのはいつ頃ですか?
 
 

矢吹 2年の4月、5月の大会では目を見張るような記録は出ませんでした。

石田 それで、中国大会にいけなかったら坊主頭になる、という自分ルールを作りました。岡山開催だったので、どうしても出たいと思ってたんです。高1の時と比べたら練習に行くようになったし、海外選手の動画を見たり、ウエイトトレーニングの回数も増えました。結果、県総体で50.65mを投げ、6位でギリギリ中国大会に出場できました。8月の終わりに県大会で3位、初めて表彰台に乗りました。この時の記録、51.75mは忘れません。

矢吹 8月には国体の選抜合宿に選ばれました。ふりかえると、その時から彼の周りで少しずつ歯車が動き始めたのかなと思います。

石田 僕も、国体合宿で教えてもらってから変わりはじめたと思います。知識も増えたし、試合が終わったら専門の先生に相談をしに行ったりするようにもなりました。

 

-一つ階段を上ったという感じですか?

 

石田 少しずつ、成長して違う世界が見え始めました。以前は表彰台に上るのはすごいことと思っていたけれど、今は表彰台に登らないと恥ずかしい。50m投げて喜んでいた自分がいたけれど、今は、50mはしょぼい、と思います。

矢吹 殻を破るとそれが当たり前になってくるんだよね。ある日50mを投げたら、それが当たり前になってくる。周りからもすごいなと思われるようになったり、選抜合宿に参加したり。2年生の間にすごく世界が開けたんだと思います。当時、石田くんが「強くなったらいろんな人と話ができるようになりますね」と言ったのをよく覚えています。

石田 昔は、玉野光南高校はスポーツの強豪校で自分とは違う世界と思っていたけれど、今は玉野光南の後輩からも挨拶されるようになった。そして教える立場にもなりました。ちゃんと一つ一つ積み重ねていけば何かが変わる、そう実感しています。

矢吹 それがスポーツの力ですよね。

2年生8月の岡山県高等学校陸上競技選手権大会で表彰台に上った石田くん(一番右)

 

-何かきっかっけがあったのでしょうか?

 

矢吹 一番の契機になったのは、2年生9月の新人戦ですね。6月に中国大会にでて、8月の県大会で学年の最上位に入って、新人戦では優勝すると公言してたんです。でも、やり投げは難しくて、投げようとすると投げられなくなる。結果4位で中国大会も行けず、落ち込んでいました。僕も悔しかったけれど、後から考えるとあれがあったから次に繋がったんだと思います。

石田 史上最高に悔しかったです。トップとって終わった方がかっこいいと思ってたし、宣言してたのに優勝台に上がれなかったのが悔しかった。それで、朝練をするようになりました。7時40分に学校に来てウエイトトレーニング。冬はすごい寒いんですけど。後輩と2人で毎日続けました。それがインターハイに繋がったんだと思っています。

矢吹 競技に対する意識が変わりましたね。部活に来る、来ないからスタートしたのが、ウエイトトレーニングだけじゃなくストレッチも大事、と広い視野が持てるようになったのが2年生の時でした。

岡山県チームのユニフォームに身を包み、壮行会で全校生徒に意気込みを語った

 

-インターハイ、国体の結果は?

 

石田 インターハイの1週間ぐらい前に肉離れを起こして、全く練習できなかったんです。前日練習でも調子が上がらなくて不安を抱えたまま、それでも投げられるかな、と思ったけど…やっぱりダメでした。初の全国舞台で緊張したこともありましたけど、自分が思った投擲ができなかったのが悔しかった。初めてのインターハイでこんなんでいいのかなと…。

矢吹 全国大会は独特の雰囲気があります。ましてや国体は県同士の戦いです。

石田 国体にはトレーナーや鍼の専門家、投擲専門の先生も一緒に行きます。前日に筋肉の様子を見て身体を整えてもらったり、万全の状態を作っていく。岡山代表として試合に出場するというのは、それまでとは全然違う経験でした。

矢吹 岡山で1位でも、記録が県標準に届いていなかったら国体に行けるとは限らない。いろんな要素を検討されて選ばれる国体選手は、特別な存在です。

石田 そうして選ばれたので結果出さないとやばいな、と思ってました。試合前の練習では60m少し投げて、久しぶりにいい感覚があったんですけど、いざ投げようと思うと怖い。変な緊張感に襲われて足が動かなくなりました。

矢吹 高校生は、場数もあるけれどメンタルが結果に直結します。気負いすぎると記録が出ない。

石田 中国大会前に担任の大森先生から、周りのことは気にするな「自分の中に入れ」というアドバイスをもらいました。それを心がけていたんですが、入りすぎちゃったのか、自分を保つことができませんでした。3位に入った中国大会は、体もむっちゃ動いて、すごく良かったんですけどね…。不思議です。

 

-最後に、卒業後の展望を教えてください

 

石田 進学を決めたのは高3の春です。それまでは就職を考えていましたが、まだ陸上をやりたい、ここでは終われないと思って。矢吹先生の母校でもある、大阪体育大学に進学します。大学なのでもちろん勉強も頑張りながら、学んだことを陸上に生かして、卒業するまでには県記録の78mを超えたいと思っています。それから、もう1回国体に出たいですね。

矢吹 僕は国体には大学の時2回行ったけどね。日本ジュニアもでた。

石田 すごいですね!初めて知りました。そしたら僕は国体3回と日本ジュニア優勝かな…矢吹先生も超えたいです。あとは、大阪体育大学の新入生の中ではトップに入りたいです。

矢吹 インターハイや国体選手も入る大学なので、まず同年代のなかで勝ち上がらなければならないですし、先輩もいます。石田君は入学した時と比べたら、いろんなところで成長しました。挫折もありました、全国大会では思うような記録が出ていない。そういうこともバネにしながら頑張ってほしい。和気閑谷高校での経験を土台に、さらに飛躍してほしいと願っています。

平成29年度 卒業生答辞

平成29年度卒業証書授与式での、卒業生答辞をご紹介します。

厳しい冬の寒さも次第に和らぎ、この和気の地にも、暖かな春の訪れを感じる今日のよき日に、ご来賓の皆様方のご臨席を賜わり、私たちのためにこのような厳粛かつ、盛大な卒業式を挙行していただき、卒業生を代表して心よりお礼申し上げます。

思い返せば三年前、不安と期待を胸に抱き、私たちは和気閑谷高等学校へ入学しました。全てが初めての光景の中、様々な事を経験しました。中でも、一年生の初めての楷楓祭は特に印象に残っています。私のクラスは劇をすることになり、HR委員をしていた私は全体をまとめる役目になりました。その頃はまだクラスにまとまりが無かった頃です。話を聞かない生徒や行動に移さない生徒が多く心配でしたが、いざ準備や話し合いを始めてみると、みんなが次々と意欲的に取り組んでくれるようになりました。本番前に円陣を組んだり、部活動の為、参加が厳しかった生徒も途中から参加してくれたり、やる時は本気でやる和気高生の特徴がみられた気がしました。劇の内容は、バラバラだった生徒が合唱コンクールを前にして協力していき、最後に全員で合唱をするというものでした。賞を獲得できたことも嬉しかったですが、何より合唱の場面で裏方を含めた全員でステージに上がり、校歌を歌えたことが一番の喜びでした。

二年生では、修学旅行が印象に残っており、特に二日目をよく覚えています。午前中はコースに分かれて大学や企業を訪問しました。引率の先生に頼らず、生徒の力だけで目的地にたどり着くために、LHRで移動する駅や、歩いていく道の確認を自分たちで行いました。午後は自由行動だったのですが、先生が引率してくださった午前中とは違い、完全に生徒のみで行動しました。次にどうすればよいのかを自分達で判断しなければならなかった分、仲間と協力し、充実した時間にすることができました。

そして、二年生といえば、私個人のことではありますが、生徒会長になったことも思い出です。全校生徒の前で話をしたり、行事を運営するために役員に指示を出したりと、本当に貴重な経験をさせていただきました。中でも今年度新しく企画した決められた時間内での、文化祭のスマホ利用は印象に残っています。企画をした役員を中心に先生方との会議を重ね、準備に取り掛かりました。ルールを守れるのかという不安の声があった中、放送やプリントでルールを守るように生徒全員に呼びかけました。当日の閉会式、先生から違反をした人がいなかったと聞いた私は、役員の頑張りや全校生徒の協力に感動し、先生に変わっていただいてお礼の挨拶をさせていただきました。先生方や生徒のみなさんに対する感謝の気持ちとオール和気が達成できたことの喜びを自分の言葉で伝えたかったからです。

三年生でも、たくさんの行事で思い出を作りましたが、中でも体育祭でのクラス別のパフォーマンスが印象に残っています。ダンスをしたり、流行りのお笑い芸人のネタをしたり、どのクラスのパフォーマンスも個性豊かなものでした。パフォーマンス中の担任の先生を含めた生徒全員が高校最後の体育祭を全力で盛り上げようという想いが伝わってきました。

また三年生といえば、それぞれの進路に向けて本格的に動き出した時期でもあります。私には、高齢者が安全かつ自由に暮らせる未来の為に介護ロボットを改善し、普及させたいという夢があります。そのために閑谷学では介護ロボットについて研究したり、老人ホームに出掛けインタビューを行ったりしました。これらを元に放課後、大学進学に向けての自己推薦文を書いていると先生方が私の為に遅くまでアドバイスをしてくださいました。その時私は、和気高の先生方が生徒一人一人の進路に本気で向き合っている事を実感しました。具体的な経験は様々ですが、三年生全員が同じことを実感していると思います。

他にも和気高にはたくさんの思い出があり、尽きることはありません。こんなに素晴らしい経験ができたのはたくさんの方々による支えがあったからです。

まずは、在校生の皆さん。私たちに先輩という自覚を与えてくれてありがとうございました。皆さんはこれから自分の将来の夢に向けて、多くの時間を使っていきます。自分は何をしたいのかを真剣に考え、先生や周りの人達としっかり相談して、夢を実現させてください。

次に、三年間を共に過ごしてきた皆。いつもしょうもない話で盛り上がったり、たくさんの行事を一緒に楽しんだり、先生に怒られたり、色んな事を相談しあったり、皆とは多くの事を共有してきたけれど、今日が最後だと思うと、とてもさみしく感じます。これからは互いに別々の道を歩いていくけれど、いつかまた元気な姿で会いましょう。皆と笑いあったこの三年間を決して忘れることはありません。

そして、私たちを三年間見守ってくださった先生方や職員の方々、本当にありがとうございました。先生方は普段の学校生活でも、私たちの勉強面や心の面を気にかけて、こまめに声かけしてくださったり、学年全体の雰囲気作りをしてくださったりと心から頼れる姿を見せてくださいました。生意気な態度をとり、悩んで苦しんでいた私たちに、時に熱く、時に優しく、最後まで私たちを信頼して向き合ってくださったおかげで、今日を迎えることができました。

最後に、ずっと身近で見守ってくれた家族。今日で私達は高校生を卒業します。ストレスがたまると、迷惑をかけてしまうことが何度もありました。しかし、その度に優しく私を励ましてくれました。私の高校生活の一番の楽しみは友達や家族とご飯を食べることでした。お母さん、いつも忙しいのに毎朝、お弁当を作ってくれてありがとう。毎日おいしくいただきました。家族の皆にはまだまだたくさんの迷惑をかけると思うけれど、これからもよろしくお願いします。

私は、この和気閑谷高校へ入学したことを誇りに思っています。なぜなら、和気町に住む温かい人々や、素晴らしい先生方、そして互いに支えあえる愉快な仲間と出会い、充実した高校生活を送ることができたからです。ここで得た三年間を糧に私たちは自分で選んだ道を精一杯歩いていきます。

最後になりましたが、私たち卒業生一〇九名に関わってくださいました、すべての皆様方のご健康とご多幸、そしてこの伝統ある和気閑谷高校のますますのご発展をお祈り申し上げ、卒業生を代表して答辞といたします。

平成三十年三月一日
岡山県立和気閑谷高等学校
卒業生代表 祇園大輝

平成29年度卒業証書授与式挙行

3月1日に卒業式が行われ、普通科72名、キャリア探求科37名が卒業証書を授与され、和気の学び舎を巣立っていきました。

今年卒業した学年は、1学年が3学級となったはじめての学年です。また、普通科とキャリア探求科の科目を相互に選択できるようになり、修学旅行で大学・専門学校・企業研修を行い、インターンシップが始まるなど本校の新しい道を切り拓いてきた学年でもあります。

多数の来賓の方々をお迎えし、岡山県議会議員内山登様、和気町長大森直徳様から祝辞をいただき、盛大かつ厳粛に式が執り行われました。

校長式辞、卒業生答辞をご紹介します。

式後には各クラスでホームルームが行われ、一人ひとりに卒業証書が手渡されました。笑いあり涙あり、サプライズあり・・・保護者の方々の見守る中、それぞれのクラスらしい締めくくりとなりました。

3年生がいないのは寂しい気持ちもありますが、卒業生のみなさんのこれからの健康と、活躍を心から祈っています。

千葉県ASPnet校を訪問しました

12月14日(木)、生徒3名で千葉県立佐倉南高等学校を訪問しました。


今年度、和気閑谷高校は「学校間連携によるグローカル人材育成」をテーマに活動しています。その一環として、国内のASPnet校への訪問交流を計画しました。佐倉南高校は、2014年のユネスコスクール世界大会高校生フォーラムで千葉県チームの一員として参加しており、このことがつながりとなって今回の訪問が実現しました。

米原付近の雪と名古屋駅で11日に起きた新幹線トラブルのため到着が40分程遅れましたが、生徒会メンバーが出迎えてくれ、和やかな雰囲気で始まりました。

自己紹介の後、学校紹介、活動紹介を行いました。

  • 佐倉南高校

校訓は「自律・創造」。2年生から文系、理系、情報コースに分かれます。地域との交流も盛んで、夏まつりや福祉まつりなどに生徒会をはじめ、吹奏楽部、合唱部、野球部がボランティアとして参加し、地域の人々と触れ合っています。東京情報大学と高大連携を行っていて、生徒が情報大に出向いて講義を受けたり、情報大の先生が出前授業や講演会を行ったりしています。

  • 本校

  学校の歴史と特徴について、探究学習の3年間の流れと自分の取組について、中間発表会で行った「バリアフリーについて」の発表を行いました。「好きな論語は?」「キャリア探求科ではどんな勉強をするの?」など、たくさん質問がありました。

時間の都合でディスカッションは見送りましたが、校内でのスマホの扱い方の違いが話題になりました。「約束を守って使うから」という生徒会長さんの一言に、学校生活への自信を見ることができました。短い時間でしたが、県を超えてASPnet高校生どうしが意見交換する貴重な体験ができました。

千葉県では、7月に県高等学校教育研究会にESD部会ができ、佐倉南高校の校長先生が部会長を務められています。また、千葉大学では「人間力を育む千葉ESDの地域展開」と題した大学コンソーシアム事業を進めています。8月には両団体の主催で「千葉大学ESD研究会~持続可能な社会の構築に向けて」を開催するなど、活発にESD活動を展開されていることも、大いに参考になりました。

訪問を受け入れてくださった校長先生、教頭先生、準備・応対してくださった生徒会メンバーの皆さん、顧問の先生方、本当にありがとうございました。

多様な主体による協働会議

12月9日(土)、今年度の「こくさいフォーラム in Wake」最終回として「多様な主体による協働会議」を開催しました。本校生徒、地域の方をはじめ、地域外の方や大学生等々、計80名が参加しました。


4年前にスタートしたこの会では、JR和気駅前の銀行跡建物の活用方法を地域の方と高校生が協議し、現在のエンターワケにつながりました。
昨年は「2030年の理想の和気町を考えよう」をテーマに和気町の未来の姿を考えました。
今回はこれを受けて「学校が地域にできること、地域が学校にできること」をテーマに、具体的にどんな連携ができる? すぐにでも実行できることは? を話し合いました。

まず、生重幸恵さんに「地域と協働して進めるキャリア教育」と題して基調講演をしていただきました。現代日本の課題と解決の視点、大学入試改革と高校教育の方向性、地域と関わることでの生徒の変容の実際例、等について熱く語ってくださいました。

生重さんはPTA会長時代の経験からスクール・アドバイス・ネットワークを設立され、全国の教育委員会やPTA等の研修会講師、学校支援や地域活性化のプロジェクト参画等で活躍されています。東京都生涯学習審議会委員、内閣府地域活性化伝道師、文部科学省中央教育審議会委員などを歴任されています。

次に、本校生徒がこれまで取り組んできた探究学習について紹介しました。

  • 3年生から、大國家の歴史について

2年生の探究学習で調査した大國家の歴史について説明しました。身近なところに興味深い歴史遺産があること、それを伝えるために様々な機会を活用したことを紹介しました。

  • 2年生から、和気町の移住促進について

和気町の暮らしを改善し、移住者を呼び込むための方策を探るためのアンケート結果を紹介しました。その結果の分析から住民の抱く町の施策の強みと弱みが出てきました。

続いて、基調講演と生徒発表を踏まえて、グループで討議しました。「何のために? 何を? 具体的に!」4月からできること、探究学習のテーマになり得ることが目標です。

高校生と地域の方が「ごちゃ混ぜ」に考える!




高校生と大人の語り場、文化祭模擬店に協働参加、駅前イベントの増加、…さまざまな提案がされました

参加者の感想から

  • 高校生の素直な意見が聞けて、彼らが思う和気の課題が明確になった。まずは彼ら自身が心から楽しい!欲しい!と思う場所やイベント、コト、モノを本気で自分たちが創っていくという経験が学習として必要なのかな、と思いました。やらされてやるボランティアでなく、自ら本気でやりたいと思えることが叶えられると面白い大人になっていけるのではないかと思います。
  • 高校生の方と地域の方が近づく、つながろうというアイディアが多く出て、素晴らしい意見交換の場になったと思います。文化祭の在り方を生徒、先生、協力隊、地域の方とじっくり話し合い、タッグを組んで新しい地域イベントに創生できるかも・・・と思わせていただきました。

生徒の感想から

  • 同じ班になった大人の方からいろいろな意見を出してもらい、閑谷學のアドバイスももらってためになった。まずは自分たちが楽しいと思えることからはじめて、そこから改善したらいい、と言われて、イベント開催の悩みがなくなった。
  • 生重さんの話を聞いて、待っていてはいけない、自分たちがやりたいを発信すればたくさん手伝ってくれる、と気づけたので、頑張ろうと思う。普段話なさない人に自分たちの意見を聞いてもらえてうれしかった。

和気駅前イルミネーション点灯式!

12月2日(土)に行われた和気駅前のイルミネーションライティングセレモニー。今年も本校の生徒たちが参加してイベントを盛り上げました。

毎年、ボランティアでの参加に加えて、閑谷學で町の活性化をテーマに探究活動をする生徒たちが参加しています。今年は、昨年度の先輩の企画を引き継いで、空き瓶スノードーム作りをしました。

子どもにスノードームの作り方を教えているところ

フランクフルトも女子高生らしいセンスでかわいく仕上げていました

また、業科目の「商品開発」で町内の企業と開発した商品も販売しました。
今年は、会場内のBGMとして吹奏楽部の生徒の生演奏や、ピアノを習っている野球部男子のキーボード演奏も。総勢5~60の生徒たちが参加していた勘定です。

りんごのスコーンはあっという間に売り切れました。

エンターワケ内の食品販売の売り子、「ママほっとサロン」の方たちが提供する子ども向けのプログラムのお手伝い、来校者へのアンケート回答のお願い、和気町のキャラクター、わけまろ君とフジコちゃんを連れて会場を歩く生徒もいました。

地域の大人たちと一緒に、自分たちでその場でできることを考えながら動く生徒の姿が頼もしい一日でした。

和気町の皆さんへ 12月9日(土)高校生と未来を語りませんか?

『多様な主体による協働会議 ~学校が地域にできること 地域が学校にできること~』を開催します。

日時 12月9日(土)13:30~16:00
場所 和気商工会3階大会議室(和気町尺所2番地)

講師に生重幸恵さんを迎え、基調講演をいただきます。生重さんは、ご自身がPTA会長をなさっていたご経験から、区内の他のPTA経験者とともにスクール・アドバイス・ネットワークを設立され、全国の教育委員会やPTA等の研修会を通して「学校支援」「地域活性化」のプロジェクトに参画されています。東京都生涯学習審議会委員(H15~)、内閣府地域活性化伝道師(H19~)、文部科学省中央教育審議会委員(H22~)などを歴任されています。

探究学習を行っている和気閑谷高校生の発表のあと、グループに分かれて、地域の方と高校生が町の未来について語り合いたいと計画しています。

昨年のこの会では「2030年の和気町の理想を描く」をテーマにディスカッションしました。
今回は、自分自身が、自分の周りの人が幸せを感じて生きていくことができる町は、どのような町なのか、綺麗事だけではなく、学校が地域に対して、地域が学校に対して抱く「本当のこと」を話しあい、真の協働の在り方を考えたいと思います。

参加費無料です。未来に向けての熱い思いをもって、お気軽にいらしてください! ご参加お待ちしています!

ユネスコスクール実践交流会に参加

11月11日(土)、岡山県ユネスコスクール高等学校ネットワーク実践交流会が行われました。

2014年11月に岡山市で開催されたユネスコスクール世界大会高校生フォーラムでは県内9校が共同で運営にあたりました。これをきっかけに9校はネットワークを結成し交流を進めることにしました。今年はおかやま山陽高校が加わり10校となり、さらに今回はブルガリアの高校生4名と先生1名を迎え「未来をつなぐ高校生ESD」をテーマに交流を行いました。本校からは英語研究部11名が参加しました。

午前中は
・大切にしたいコトバと態度の学習
・「高校生カンボジアスタディツアー」参加報告
・10校がブルガリアについて調べたことの発表
・10校およびブルガリアの高校生が取り組んでいるESD活動の発表
を行い、学習を深めました。

ブルガリアについて本校は「ブルガリアの地理」を担当し、発表しました。

ブルガリアの地理について英語でまとめました

本校の活動紹介では、ボランティア活動、論語、探究学習、国際理解学習についてポイントを押さえて発表しました。特に、国際理解学習では、こくさいフォーラムやEnglish Campの経験をもとに、「外国の方と関わることで自分の視野が広がる」「いろいろ国の文化を知ることでその国に対する考えが変わる」「英語に対する意識が高まり勉強意欲も上がっている」など、自分たちの成長を振り返るとともに、「これからも国際理解学習に楽しく励んでいきたい」と締めくくりました。この発表では、ブルガリア高校生に対して生徒2名が英語で通訳をしました。

他校やブルガリア生徒の発表を、疑問点や参考になる点について付箋にメモしながら参加者全員が集中して聴いていました。

午後は午前中の発表への質問や意見をもとに、10校の生徒が混じり合ってワールドカフェ形式のグループワークを行いました。付箋を使って、良い点、提案、疑問点、…、様々な意見を交換しました。発言はとぎれることなく、交流を深めていきました。

そして、ワークでの気づきや自分たちのこれからの活動を進める上で学んだことを学校グループに戻ってまとめ、順番に発表しました。

ブルガリア高校生が一人ずつ参加しての感想を述べてくれました

この経験を持ち帰り、学校全体で取り組んでいけるよう期待しています。