旧閑谷学校で学び継がれ、現在の和気閑谷高校でも日々生徒が朗誦する論語は、孔子の言葉や弟子たちとの真摯な対話を、その弟子たちがまとめたもの。釈菜は孔子の遺徳をたたえる儀式です。
孔子像の安置された孔子廟での「大成殿の儀」に続き、講堂での論語講義「講堂の儀」、お供えされた食物を分け合っていただくことを元にした「分胙(ぶんそ)の儀」(昼食会)で構成されますが、ここでは大成殿の儀を紹介します。
扉の内に孔子像を安置した厨子を開くところから儀式ははじまります。お供え物をし、香を焚き、お酒を供えてご挨拶をし、詩を捧げる。その後に、参列者が孔子像に敬拝するというのが大きな流れ。このようにして、論語に学ぶ者たちが学祖の徳を敬い、感謝するのです。
ここからは、大成殿の儀の写真(一部リハーサル時)とともに流れを見てゆきましょう。
・儀式の始まり
・進行役(掌儀・賛・司尊)が厨子を開き、敬拝の場を整える
・5人の祭官(執事)がお供えをする
・祭官が全員、中庭に入る
・掌儀がお供えや祭器を点検
・祭官の長(献官)が香を焚く
・献官が酒器を洗い、酒を供える
・言上担当の祭官(祝(しゅく))が孔子に開会を告げ、捧げる言葉(祝(しゅう))を読む
・祝が孔子に詩を捧げる
・参列者が孔子を敬拝
・祭官が退場する
・お供えを下げる
・厨子を閉じる
・祝(しゅう)の書かれた紙を燃やす
・参列者全員の礼をもって終了
以上長い長い記事となりましたが、この大成殿の儀は45分~50分間ほど。本校の生徒会の代表も参列し、伝統を受け継いでいます。
この後、釈菜は講堂の儀、分胙の儀が続きます