長島愛生園 モニターツアーに参加して

 12月13日(土)、有志生徒8名が、90年の歴史を持つ瀬戸内市邑久町にあるハンセン病療養所「長島愛生園」へのモニターツアーに参加しました。このモニターツアーは、岡山県備前県民局が観光振興事業として企画・開発中の「SDGsをテーマとした教育旅行プログラム」という高校生の修学旅行プランの一つです。

 モニターとして参加する生徒たちには『SDGs Work Book』という冊子が渡され、事前・現地・事後の一連の学習・活動を記録するようになっていました。

 事前学習では、下記3つの研究問題から一つを選び、ツアーに参加するに当たっての関心を高めました。

  • 差別はなぜ起こるんだろう?差別が起きないようにするにはどうしたらいいだろう?
  • ハンセン病療養所の歴史を継承し続けるためにはどうしたらいいだろう?
  • 差別を乗り越えた入所者たちのように強く生きるにはどうしたらいいだろう?

 当日の現地学習では、学芸員さんによるハンセン病や療養所など導入のお話、そして歴史館・歴史回廊の見学、語り部の方々の映像を拝見し理解を深めたのち、学芸員さんと和気高生による講話が行われました。最後に、一連の学習を経て「身の回りにある差別」「差別でなぜ起こるのか」「私たち一人一人に何ができるか」「この学びを未来に残していくためのアドバイスは」といった点から協議を行い、理解を深めました。生徒からは、関心を持つことや正しく理解することの大切さ、現地を訪れてもらえる取組のアイデアなどについて意見が出ました。

 事後学習では、事前学習で選択した研究問題について、現地学習を通し実感を伴って回答した上で、さらに再度SDGsと関連付けます。生徒たちは行く前と比べ、SDGsがリアリティを含み、自分ごととして捉えることができるようになったようです。

 今後も、差別や人権を考え続ける上での貴重な学習の場として、長島愛生園との関わりを持っていくべきであると感じています。

付添 和気町地域おこし協力隊 支援職員/地域協働学習実施支援員 松穂 亜花音