始業式での論語朗誦「逝者如斯夫、不舍晝夜」

2学期のスタートにあたり、全校で論語朗誦をしました。

朗誦した論語と、指導にあたった大野先生からのメッセージを紹介します。

 

 子在川上曰、逝者如斯夫。不舍晝夜。[子罕第九]

子川の上に在りて曰はく、逝(ゆ)く者はかくの如きか。昼夜を止めず。

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 孔子先生が川のほとりでおっしゃった。「過ぎ去っていく者はすべてこの川の流れのようなものだ。昼となく夜となく、ひとときもとどまることはない」と。

 この章句には、2つの解釈があると言われています。1つ目は、川の流れを時間の流れに捉えて、人生も一つの流れ。私(孔子)も年老いてきたなあ、と人生を振り返っている。理想の政治ができなかったなあと嘆いている。2つ目は、川の流れが休まないように、私たちも学問の道をとどまってはいけない。
 このように論語は、読む人、時代によっていろいろな受け止め方ができます。同じ人でも年齢によって同じ章句で感じ方が変わってくると思います。論語は子どもから大人までそれぞれに学び取ることができます。皆さんには、一つでも二つでも自分の好きな論語とそれがどんなふうに自分に関わっているかが言えるようになってほしいと思います。
 この章句で皆さんに伝えたいこと。…“時間の流れ”と言いましたが、過去、現在、未来はつながっています。閑谷学校創学345年の歴史はいつも順風だったわけではなく、閉校の危機を幾度と乗り越えてきました。その当時の先輩や地域の人々がどんな思いで学校を守ってきたか、それを皆さんがどのように後輩につなげるか。形だけ受け継ぐのではなく心を込めてください。2学期の始まりに当たって自分を点検してほしい。授業に主体的に臨む、掃除や部活動、クラス活動に真剣に取り組むといった、当たり前のことが当たり前にできるように。胸を張って堂々と「私たちは閑谷学校の学びの精神を受け継いでいます」といえるにふさわしい人物になってくれることを期待しています。