道徳教育ワークショップ~2年生~

7月10日、全学年で道徳教育ワークショップが行われました。2年生の様子をお伝えします。
今回、講師としてお招きしたのは、菅原直樹先生です。ワークショップでは「空気」について取り上げて、高校生と一緒に考えました。

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菅原直樹先生。老いとボケと死を題材にした演劇「oibokeshi」をなさっています。

ワークショップは、前半は菅原さんによる、「空気」ついての講演、後半は生徒による演劇ワークショップが行われました。

前半の講演は、簡単なゲームで生徒の緊張をほぐすところから始まりました。「右手が必ず勝つようにじゃんけんをしなさい。」というゲームで、介護の現場でも用いられているゲームだそうです。

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「右手が必ず勝つように両手でじゃんけんしてください。」 中にはすごい速さでできる生徒もいました。

菅原さんは「こういったゲームが盛り上がるのは、『できない人』がいるからです。できないことをマイナスにばかりとらえるのではなく、全員で楽しめる雰囲気を創ることが大切です。」と語り、このゲームでも、上手にできない人がいたおかげで盛り上がりました。

講演では、「空気」に関することを学びました。

皆さんは「会話」と「対話」の違いをどう認識していますか?

菅原さんは「この二つの違いは『空気』を共有しているかどうかの違いだ」と説明してくださりました。

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「空気」共有することを意識的に体験するために、「つうかあゲーム」を行いました。いすに座っている生徒が言った「○○(かわいい)よねー」に対して、立っている人が「○○(かわいい)よねー、△△(自転車)」とよく分からないものを答え、それに対して二人で「ねー」同調するというゲームを行い、二人の間で「空気」を共有しました。

空気の共有があれば、「つうかあ」のように、「言葉にしなくても分かってもらえる」ことが多く、リラックスして話せるそうです。それが「会話」であり、初対面の人と情報を交換するときのようなものが「対話」だそうです。

この他にも、様々な話を通して、私たちの日常に潜む「空気」について語ってくださりました。

ワークショップでは、その「空気」を「作って」、「壊す」ということを意識しながら演劇を行いました。

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デモンストレーションとして、本気で演劇を行う先生たち。とても楽しいアクティビティになりました。

生徒による演劇は、どのクラス代表も面白く、個性的な演技を見せてくれました。

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演劇を行う生徒。声も大きく、劇の内容も面白かったです。普段からやっているのではないかと思うくらいクオリティの高い演劇でした。

日常生活の中で、必ずそこにあるにも拘わらず、無視しがちな「空気」。その存在を改めて意識することにより、生徒は周りの人との関わり方、関係を作って行く上での「空気」との向き合い方、日常の中で自分がいかに「空気」に影響されているかに気づく時間でした。

菅原さんからは、最後に「日本社会の中で生きていくと言うことは、『空気』を読んで自分の言いたいことを我慢することが求められる。その半面、言いたいことを言わなかったら、意見を言えと言われる。そんな矛盾の中で生きていくというのが日本の社会で生きていくということ。そんな中で、『自分の好きなこと、大切なこと』に対してだけは『空気』を読まないで、自分の思ったことを大切にしてください。」というメッセージをいただきました。

心に響くメッセージで締めくくられ、充実したワークショップになりました!