上海市嘉定区サマーキャンプレポート

高3と高2の二人が参加したキャンプの正式名称は「嘉定国際青少年友好キャンプ( International Youth Friendship Camp )」です。今年は5カ国、7都市から14人の高校生が中国を訪れました。そして、本校の友好交流協定でもある嘉定第一中学の生徒9人が、それぞれの都市のホスト役としてつき、一緒に活動しました。

参加6カ国の内訳は、ハンガリー、ニュージーランド、フランス、ドイツ、日本、そして中国です。到着の翌日からスタートした1週間のキャンプの様子を写真で紹介します。

1日目  (7/31)

全都市からの参加者が揃ったこの日は、朝から大都市、上海の中心部を見学して回りました。上海の摩天楼から歴史ある庭園まで、中国の多様性に驚くことばかりの一日。夜は上海雑技団の公演を観ました。

2日目 (8/1) 

嘉定区は自動車産業で有名な地区です。区内にある上海自動車博物館の一室にて開会式を行い、式典では参加者による各都市のプレゼンテーションを行いました。和気閑谷高から参加した2人は、聞いている人たちに呼びかけたり、きびだんごを配ったりしながら、岡山と和気の魅力を伝えました。

午後は宿泊先の近くにある嘉定区の博物館で地区の歴史を学び、その後、博物館内で中国風の絵の描き方を教わって、団扇に描きました。

3日目 (8/2)

この日は、中国の伝統文化に触れる日となりました。上海市内にある、伝統文化についてのコースを持つ高校を訪ね、小籠包作りや麦わらでのコースター作りを教わりました。各国からの参加者もだんだんと打ち解けてきて、この日の午後にホテルで行った、中国の伝統服の着付けをした際には、みんなで楽しく写真を撮る様子が見られました。

この日は早い時間から自由時間となり、大学生スタッフと一緒にショッピングセンターに出かけるなど、街で遊ぶ時間も満喫しました。

4日目 (8/3)

上海郊外の蘇州への一日旅行に行きました。上海は長江デルタにあって平らな土地が続きます。蘇州には標高30メートルほどの丘があり(珍しい)、古くからの観光地となっています。街中には道教寺院もあります。

5日目  (8/4)

ホスト役となってくれている高校生が通う、嘉定第一中学を訪ねました。午前中は施設の見学と高校生による伝統音楽&バンドの演奏。そして太極拳の体験。学食でご飯を食べてからはゲーム大会でした。

学校が広いことにまずはびっくり!体験的に科学を学ぶサイエンスホールや、歴史学習専用の部屋、立派なホールもいくつか。学校の歴史を伝える「嘉定一中校史館」では、1990年代に本校の教員が訪ねた際の写真も飾られていました。

6日目 (8/5)

私たち、和気からのチームをホストしてくれているCiciの家を訪ねて一日過ごしました。お家を訪ねる前に、嘉定区内にある藤公園を訪れました。ここは、和気町の藤を持っていって作られた公園です。花の季節ではありませんでしたが、市民の憩いの場として愛される場となっていることがわかり、友好都市とのつながりを感じることができました。

Ciciの家ではみんなで餃子の作り方を教えてもらい、包んだ餃子をいただきました。日本の餃子とは包方が違います。この日はハンガリーから来た二人も一緒にお邪魔しました。日本、中国、ハンガリーの学校のルールの違いや、校外旅行の違いなど話はつきませんでした。

ハンガリーでは年に一度は校外に何泊かの旅行をし、時にはクラス単位でも近隣国に行くことがあるそう。地続きのヨーロッパは違いますね。

7日目 (8/6)

キャンプ自体はこの日で終わりです。お昼をいただきながらのクロージングセレモニーでは、参加者の投票により選ばれた、Star of friendlyness, vitarity, innovation という3つの賞の受賞者が発表されました。

また、スタッフの大学生が写真満載のムービーを用意してくれていたほか、この一週間で参加者のミッションとなっていた漢詩の朗読、各地区からの出し物などで盛り上がりました。日本の3都市からの参加者は6人で「ふるさと」を歌いました。

Star of innovationを受賞したニュージーランドからの参加者が”Boys!”と呼びかけると、男の子たち全員が出てきて「ハカ」(マオリのダンス)を披露。

スタッフの大学生は参加者みんなにプレゼントを用意してくれていたほか、各地からの記念品の交換も行われました。

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キャンプの公式行事はこの日の昼までとなりました。午後はそれぞれに自由時間を楽しみ、最後の日を一緒に過ごしました。翌朝は、朝4時半に出発したハンガリーのメンバーを皮切りに、昼までに順次、帰国の途につきました。

和気町チームはもともと最後の出発の予定だったのが、なんと台風のために一日帰国が遅れることになったため、昼過ぎに上海市内のホテルに移動し、8月8日の帰国となりました。

別れのシーンは涙、涙、涙。中国の方々のおもてなしの心と、情の深さが一層心に沁みる瞬間でした。本校の蓮井君が大の仲しになったAlan君が、私たちの乗った車が見えなくなるまでずっとこちらを見つめていた姿が忘れられません。

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和気町が嘉定区と長年育んできた関係のおかげで、生徒2人が世界各国の中高校生たちと友情を育み、豊かな体験の機会を得ることができました。関係諸氏に心から感謝申し上げます。