346年目の創立記念式典を行いました

毎年10月1日に行っている創立記念式典ですが、今年は土曜日にあたったため、3日の月曜日に式典を行いました。校長先生の式辞から紹介します。

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先週の金曜日、9月30日に韓国の高校と交流をして参りました。韓国は飛行機で1時間半ほどの距離です。飛行機で東京なら1時間ほど、北海道なら2時間ほどですから、最も近い隣の国です。

今回の目的は、論語やボランティア活動等を共通の話題にして国を超えて話し合ったり、学び合ったりするしくみをつくることです。今回は4人の生徒代表が参加してくれました。予想以上に歓待を受け、将来はもっとたくさんの生徒のみなさんが交流する機会を持てるようにしたいと思っています。

さて、そこでお話しした本校の紹介は次のような内容でした。創立記念日にあたり、みなさんにこの学校の一員として自覚と誇りをもって生活していっていただきたいと思います。

本校は、士農工商(役人・農民・職人・商人)という身分制度の厳しかった江戸時代の1670年に、庶民も学ぶことのできる学校として日本で最も古くに創建された閑谷学校をルーツに持っています。今年で346年めになります。

閑谷学校には岡山藩の内外から村役人をはじめ、農民や医者、武士といったいろいろな身分の人たちが学びに来ました。閑谷学校は、当時から幅広い人々に開かれた学校でした。閑谷学校は、「性相近きなり。習い相遠きなり(人のもともとの素質にはそれほど個人差はない。ただ、後天的な習慣・学習によって距離が生じ、遠く離れる。)」という論語の言葉にあるとおり、誰もが等しく大きな可能性を持つということを学校の理念に据え、人格や学力を磨き、立派な人間を創ってきました。

本校は、今から50年ほど前に、閑谷にあった校舎といま和気にある校舎が統合されて和気閑谷高校として再出発しました。普通教科を中心とした普通科と、商業科や福祉科等の専門教科を学ぶことができるキャリア探求科と、2つの学科があり、今も多様性を大切にして学び合っています。そして、現在も「論語」を在り方生き方の鑑として活用できるように毎朝一章句各学級で朗誦してから始業しています。

貴校との交流を通して、生徒たちが「仁」や「恕」の心を持った地球市民として広い視野で考え、自らの住む地域に貢献することができる人になってほしいと期待しています。

以上が本校の紹介でした。

これが和気閑谷高校です。しかし、在籍しているから和気閑谷高校生だというのはうわべだけの話になります。真に和気閑谷高校生となるためには、以上の歴史を踏まえて「仁」や「恕」の心を実践してこそ本物の和気閑谷高校生です。みなさん、いっしょに人格を磨いて参りましょう。

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式典に先立つ論語朗誦は「子曰、性相近也。習相遠也。」を朗誦しました