2学期始業式 校長式辞

今日、こうして皆さんと気持ちよく2学期のスタートラインに立てたことをともに喜び合いたいと思います。

1学期は、“克己復礼”、自分だけ善ければいいという欲望にうち勝って、正しい態度でふるまう、それが仁を実践することになる、これをテーマとして皆さんにお話しました。

では、具体的にどのように実践していくか、その1つの在り方として、“うめライス”を提案します。

○うなずき、○めを見て、○ラストまで、○イっしょうけんめい、○スマイルで♪

これを2学期のテーマにしたいと思います。

1学期に伝えた「克己復礼」を具現化するために、2学期は「うめライス」を心がけてほしい

ただ、ここで“なぜ?”と思ってほしいのです。いろんなことに、なぜ?と問いかけ、すぐに答えが見つからなくても考え続ける。そこに高校生らしい、考える楽しみが湧いてきます。

さて、なぜ“うめライス”なのか。私は、思いを受けとる、思いを承け継ぐ、信頼関係の第一歩になるからだと思います。

先の日曜日に、青少年教育センター閑谷学校の50周年記念式典が開かれました。教育センター閑谷学校は、1965年に開設されました。その前年、和気高校閑谷校舎が閉校になり、1965年に和気閑谷高校ができました。つまり、教育センター閑谷学校と和気閑谷高校は、双子なのです。

閑谷学校は、士農工商の身分制度の厳しい江戸時代、庶民も学べる郷校として開かれた、日本で最も古い歴史がありますが、その閑谷学校の歴史を社会教育施設として受け継いだのが教育センター閑谷学校、学校教育施設として受け継いだのが本校です。

本校は、閑谷学校の歴史を受け継ぐ高校として、教育センター閑谷学校ではできない教育を実践してきました。今日もこの式の後に行いますが、全校集会での論語朗誦。「論語手帳」の「今週の論語」を毎日クラスで朗誦する習慣。閑谷學(「総合的な学習の時間」)の論語研究グループによる小中学校等への論語出前授業。週末に徒歩で吉永駅から閑谷学校に通って取り組んでくれているガイドボランティア。

それを記念式典にいらした方々に披露したところ、閑谷学校の歴史を高校生がしっかり受けとめ、受け継いでくれていることに地域の多くの方々が感激してくださいました。

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今度は、皆さんが後輩にその思いを受け継ぎ、バトンを渡してほしいと期待しています。

“うめライス”、2学期は早々に2番目に大きな学校行事である楷楓祭がやってきます。たくさんのお客をおもてなしする絶好のチャンスです。また、2学期は高校3年生の多くの進路が決まる時期でもあります。ぜひ“うめライス”を実践して思いを受けとめ、思いを伝えましょう。

“うめライス”、日々の授業でも先生の説明に相づちを打ってくれたら、先生も元気になれます。

いろんな人と信頼関係を深める2学期にしましょう。

最後になりましたが、この夏、いろいろなところで皆さんががんばってくれました。学校はみなさんが主役です。2学期もよろしくお願いいたします。生徒のみなさんのがんばりと、それを支えてくださった先生方のふんばりに感謝申し上げて2学期始業式の挨拶に代えたいと思います。